その日の朝は日射しが遮られ、僅かに暗かった。 こんな夏に季節外れの朝霧が出ているのだろうか。
暑さを忘れさせてくれる霧を期待して家を飛び出した君は、 目の前に揺らめく「それ」を見て驚愕したに違いない。
人型の「それ」は、生ぬるくて気持ちの悪い蒸気を放ち、 山を見上げるようにゆらゆらと動いていたのだ。
――いつものように暑く、いつものように騒がしい夏の山。 彼女は人型の「それ」を見下ろしていた。
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